今春、みずほ銀行は短期間で4回に及ぶシステム障害を起こした。4回目の障害では、ハードウェア機器の故障により外国為替送金に遅延が発生。そのため、第三者委員会による調査を踏まえ、6月15日に公表した再発防止策に冒頭の取り組みを明記していた。
だが、この取り組みが不十分であったことが露呈する。公表からわずか2ヶ月余りの8月20日、ハードウェア機器の故障に端を発するシステム障害を再び招くという醜態を晒したからだ。
5回目の今回の障害では、基幹システムと現場の店舗をつなぐ部分の機器が故障した。それにより、全国のみずほ銀行とみずほ信託銀行の店頭で入出金などの取引ができなくなった。
さらに、翌営業日の23日には通信ネットワークの乱れにより全国約130台のATMが稼働を停止する6回目の障害も発生。再発防止策の策定後も障害が相次ぐ以上事態に、顧客の不信感が再度高まっている。
特に、5回目となるハードウェア機器の故障では、その経緯や事後対応においてみずほは疑問点を残してしまった。
たとえば、機器が故障した時は、予備の危機に切り替えるなどのバックアップ機能が作動することはなかった。
また、以前から課題とされていた顧客対応も改善されたとは言い難い。障害発生の認知は、前日19日午後9時ごろだった。支店長など現場の責任者には出勤を支持したが、同じタイミングで、担当役員や経営トップが参加するような緊急の対策会議は開かれなかったとみられる。
最終的にシステム障害が発生して店頭での取引ができない事実が発表されたのは店舗の営業開始30分前だった。その後、完全復旧には同日正午付近まで時間を要した。
参照先: 週刊ダイヤモンド109号34巻 p10