[週刊ダイヤモンド] 108巻31号 要約と感想

PUBLISHED ON 2020-08-05 11:02:16 +0900 JST — DIAMOND

要約

 最近梅雨が続いており、7月後半になっても太陽をまともに見た回数が少ないと感じます。健康状態を維持するためにも部屋で運動をするなどのボディケアとともに、メンタルケアを同時に行なっていきたいと思います。

ドラッグストア業界一位の奪還の可能性

 マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの統合による「ドラッグストア一位」奪還は可能なのか。2社の経営統合の発表により、来年の10月ごろにも統合する見通しである。しかし、この統合で業界一位の奪還は難しいと予想する。

 まず、現状として各店舗での売り上げが両社ともに減少している。業績不振の原因は色々と指摘されているが、マツキヨの既存店売上高の落ち込み具合は第一にコロナ禍でドル箱だった訪日外国人需要が完全に止まった状況である点が挙げられる。マツキヨHDが訪日外国人の売り上げが全体の売り上げに占める割合は13%を超えており、他のドラッグストアよりも比率が高い。

 その上、同社が最大の武器としてきた化粧品の売上高が外出自粛やマスク着用の影響を受けて下がっている。マツキヨの化粧品売り上げ比率は39.9%なので他のドラッグストアに比べて比率が高い。インバウンドと化粧品という稼ぎ頭をコロナが直撃したのだ。

 一方の統合相手であるココカラも化粧品比率が高い。インバウンドの取り込みに力を入れたことが逆効果として跳ね返った。両者の今季の決算は厳しい状況にある。

マツキヨHD

21年度3月期の業績見通しは売上高が前期比3.5%減の5700億円、営業利益は同18.8%減の305億円

 マツキヨHDとココカラを足し合わせた売上高予想は合計で9579億円である。約1兆円のグループ誕生によって、現在ドラッグストアショップのウエルシアHDは逆に、このコロナ禍で巻き返しが顕著になっているのだ。これが、ドラック業界で統合しても一位になれないという不安要素である。

ウエルシアHDの強み

 ウエルシアHDは、20年2月期の売上高は前期比で11.4%アップの8682億円であり、その上、21年度の2月の売上高見通しでは同7.7%アップの9350億円と見込んでいる。21年には首位に立つマツキヨHD,ココカラ連合の合算数字との差はわずか230億円であり、中小のドラッグストアをM&Aすれば追いつく数字である。

 ウエルシアHDは部門別売上高はマツキヨHDとは異なり、化粧品、医薬品、調剤、家庭用雑貨、食品の割合のバランスが比較的よく、インバウンドが立ち寄りそうな場所に店舗が多くないためコロナの影響をさほど受けていないのだ。

まとめ

 コロナがなければ、マツキヨ連合とウエルシアにそこまでの差は縮まらなかったように思う。インバウンド需要が急激に減少する状況を予想するのは到底不可能であるように、今後のドラッグストアの業界では誰が一番になるかわからない状態である。決してマツキヨとココカラの統合も安泰とはいえないと思う。

参照先:ダイヤモンド108巻31号 p94-p95

TAGS: ECONOMY
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