次世代通信規格5Gインフラ整備を巡って中国の通信機器大手のファーウェイ排除の動きが世界的に広がった。中国はここにきて西側諸国の競合勢をファーウェイと同じ目に合わせようとしている。
国有通信大手の中国移動が7月に行った5Gの設備の入札では、外国サプライヤーへの発注シェアが全体の5.4%に止まり、前回入札が行われた2020年の11%から半減した。
最大の敗者はスウェーデンのエリクソンだ。インターネットが概ね、厳しい検閲をしく中国のウェブ空間と米企業が主導する世界で二分されているように、これを支える通信インフラも二極化の様相を強めている。
350億円ドル規模に上る世界の通信機器市場は中国米国その他というほぼ規模の等しい三勢力に分けられる。
中国以外では、エリクソンとフィンランドのノキアがファーウェイから市場シェアを奪っている。
エリクソンは11年の時点まで中国で25%あまりの市場シェアを握っていたがその後低下傾向にある。欧州連合と中国は14年、中国の通信機器市場の約25%をエリクソンとノキアが維持できるようにすることで合意したが、実行に移されることはなかった。
それ以降、国内で通信機器大手を持たない米国は途上国が中国製以外の通信機器を購入できるように融資を提供することで、エリクソンやノキアに加え、韓国サムスン電子を支援している。米国はまた、ファーウェイによる部品調達を困難にするために輸出規制を導入した。
参照先: 週刊ダイヤモンド109号32巻 p18