[週刊ダイヤモンド] 108巻26号 要約と感想

PUBLISHED ON 2020-06-27 15:24:56 +0900 JST — DIAMOND

要約

銅相場は底堅く推移

  銅相場は上昇傾向にある。3/19には欧米各国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、1トンあたり4371ドルと2016年1月以来の安値をつけた。これを受けてFRBが緊急利下げをしたが、先行き不安が払拭できない状況だった。

 その後、FRBが米国債などを「必要な量だけ」購入する無制限の量的緩和を決定するなどの各国の危機対応が進み、市場参加者の不安心理が和らぐ中、号相場は上昇し、5000ドルを回復した。米国産原油のWTIの価格がマイナスに落ち込んだ翌日の4/21には動揺した投資家による換金売りがどうにも及び、4953ドルまで下落した。しかし、新型コロナの影響による銅供給の落ち込みや、中国景気が2月ごろを底に改善していることと、欧米で経済再開の動きが広がってきたことに買い材料となり、相場は上昇傾向を維持している。

 その後、第二波の懸念が出てきたが、需要の観測が勝り、相場では上昇傾向を続けた。それからFOMCによる景気の見通しや米国のテキサス州、フロリダ州などで新型コロナ感染が再拡大し、リスク回避ムードから銅相場がやや下落した。    世界景気先行指標とされる銅相場は底堅い推移が見込まれる。

商社

 つい最近、伊藤忠の株価が三菱商事の株価を上回った。伊藤忠は第三産業に相対的に強く、成長が見込まれる企業である。しかし、銅相場が上昇傾向にあるということは、第一産業に特に強い三菱商事の業績が良好になることを意味するので、次回の決算の結果から伊藤忠と三菱商事のどちらがリードカンパニーになるのか見ものである。

TAGS: ECONOMY
comments powered by Disqus