[週刊ダイヤモンド] 109巻26号 要約と感想

PUBLISHED ON 2021-06-26 21:32:51 +0900 JST — DIAMOND

要約



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 ITバブルが崩壊が再び目の前で起こっているのか。1998年から2000年前半にかけての投機ブームからバブル崩壊への流れとクリーンエネルギーや大麻株といった話題の分野でここ9ヶ月に起こったことには驚くほど類似性がある。

 この類似性が続けば、過剰な上げ相場に遅れて加わった投資家には不吉な前兆となる。EVメーカーのテスラを始めとする話題の銘柄は今年の高値からすでに2-3割ほど下落している。

 類似性は相場動向と投資家の行動の両方に見られる。99年終盤にはインターネット銘柄を巡るFOMOが強まり、ナスダック総合指数は9月末から2000年3月に83%も上昇した。

  ITブーム当時、大型バブル株の代表格だった米ネットワーク機器大手のシスコシステムズは133%上昇した。  一方、現在のバブル株であるテスラは最高値に達するまでに9月から110%上昇した。純粋なIT銘柄は当時おおよそ3倍に切り上がったが、今回も同程度の急騰をしていた。

 また、年間の時期さえ似通っている。話題のセクターが今年の2月から3月にピークを迎えたのに対し、ITバブルは2000年3月10日に頂点に達していた。バブル崩壊から6月半ばーつまり現在ーまでの相場の動きも同様の道を辿っている。

 取引の動きも似ている。99年末には、IT銘柄に懐疑的だった機関投資家やヘッジファンドなどがFOMOにかられて買いが走りインターネット株の新規株式公開ではデイトレーダーが上場初日の価格を驚異的に釣り上げた。 20年10-12月期には、テスラがS&P500種銘柄に採用され、ようやく真剣に受け止められるようになった。環境面での信頼性を示す必要に迫られた多くの大手機関にとって太陽光やクリーンエネルギー関連は価格がどうであれ保有が必須の銘柄となった。

 SPACは2000年のIPO狂乱に取って代わり、赤字の新興企業に資金をつぎ込む手段になった。

 

 

 


参照先: 週刊ダイヤモンド109号26巻 p42

TAGS: ECONOMY
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