[週刊ダイヤモンド] 108巻25号 要約と感想

PUBLISHED ON 2020-06-21 18:18:07 +0900 JST — DIAMOND

要約


 


節税効果抜群の2つの制度

 6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)あとの記者会見で、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェロームパウエル議長は回復への道のりは長いことに我々は正直にならねばならないと述べた。この日まで株式市場ではユーフォリアが広がり、奇妙な株価高騰が続いてきた。それゆえに、パウエル氏がどのように市場の期待に働きかけるかを注目されたが、彼は正攻法を選んだ。厳しい景況感を示し同時にFOMCの経済予測(-2022)の範囲内ではゼロ金利政策解除は想定されていないと説明した。

パウエル氏の予想

 実際はもっと長いゼロ金利継続を予想しているようだ。米投資銀行リーマン・ブラザーズのは単語、11年以上インフレ率が目標の2%をほぼ超えなかった事実をあげ、「我々は利上げを考えていない」と述べた。5月の失業率が13.3%だったが、今回のFOMC予測によると22年度末に5.5%に低下するらしい。が、コロナ以前の回復は難しいとパウエル氏は主張した。

 今後もFRBの市場の期待の制御に悩むだろう。理不尽な株価加熱は困るものの、市場が悲観に大きく振れると、消費者心理が一層の打撃を受けてしまう。景気浮揚策があまり残ってない点もFRBの苦しい点の1つである。9月には政策の方針を固めるようだが、日本銀行のように長短金利に目標を設定するイールドカーブコントロール(YCC)が市場で話題になっている。しかし、パウエル氏はあまりYCCの話題について乗り気ではないみたいだ。それは歴史的な背景があると思われる。

 第二次世界大戦期にFRBは米政府の軍事費調達に協力するため、国債発行が増えても長期金利を2.5%に抑える政策を採用。戦後それから脱却する際、FRBは出口政策を実現した。

出口戦力

出口戦略

TAGS: ECONOMY
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