投資信託の積み立て投資を始める人が着実に増えている。実際、SBI証券では2019年11月から3ヶ月で月間の積み立てがくが3割以上増えて200億円を突破するなど、資産形成への関心は高い。
お得に使える制度があれば徹底的に活用する。これもまた投資の鉄則だ。中でも「ideco(個人型確定拠出年金)」と「積み立てNISA」がある。(もう実践している人もいると思います。)この2つは強力な税制メリットがある。
イデコ
イデコは自分で商品を選んで運用をする「年金」のことである。掛け金は全て所得控除の対象で。所得税や住民税が節税できるほか、運用益も非課税となる。さらに受け取りの際は運用資産が課税対象になるものの、一括で受け取るなら「退職所得控除」の年金で受け取るなら「公的年金控除」の対象になる。 ただし、年金なので、原則として60歳になるまでは払い出しができない点には注意した方がいいと思われる。半強制的に積み立てができるメリットと言えるかもしれないが、生活を圧迫するような過剰な投資はしない方がいい。 また、受け取り時には他の退職金や年金に合わせて課税されるので非課税枠を超えてしまうと思わぬ税金を払うことにもなる。
積み立てNISA
一方で、積み立てNISAは長期の投資を支援する非課税制度のことで、毎年40万円を上限に投資で得た運用益が最長20年非課税になる。税制メリットこそイデコに劣るが払い出しに制限がないのがメリットだ。
ただし、一度非課税枠を使って投資をすると、その後の商品を売ってもその分の枠は復活しない。イデコのように商品の乗り換えが自由にできず、枠が余っても翌年に繰り越すことはできない欠点もある。非課税終了後はそのまま課税講座に移されるがその時の元本割れしていると運用益の非課税メリットがなくなってしまう点も理解しなければならない。しかもこの場合、課税講座に移った時点の価格で商品を「再取得」したと見なされるので、その後値上がりすると最初に購入した時点からは儲けが出ていなくても課税されることがある。
購入できる商品は金融庁の条件をクリアした約180本の投資信託やETFに限られる。長期投資に向いた低コストの商品ばかりなので「お墨付」の安心感はあるが、自由に投資をしたいという人は非課税期間が5年の通常のNISAがいいと思われる。なお、イデコも同じだが、金融機関によって扱う商品が違うので金融機関の選択にも注意した方が良いかもしれない。
まとめ
イデコと積み立てNISAは併用可能なので懐に余裕のある人はともに活用して節税メリットを受けるのも手である。